冬の住まいメンテナンスガイド

目次:
・このコラムについて
・配管の掃除(排水詰まり予防)
・キッチンのヘドロ・油詰まり対策
・水道管の凍結・破裂対策
・窓の結露・サッシのカビ予防
・暖房効率を高めるエアコンのメンテ
・給湯器の冬トラブルを防ぐ
・まとめ


このコラムについて

冬は、1年の中でも住まいに負担がかかりやすい季節です。気温差・湿度・油汚れ・凍結など、放置すると大きなトラブルにつながる原因が増えてきます。

このコラムでは、ご自身で取り組める冬のセルフメンテナンスを、わかりやすくまとめました。大切な住まいを長く快適に保つために、ぜひ参考にしてください!



配管の掃除(排水詰まり予防)

冬場は水温が低く、油が固まりやすくなるため、キッチン・浴室・洗面などの排水が詰まりやすくなります。

予防と対策

排水トラップを外して内部を洗浄
・重曹+クエン酸での発泡クリーニング
・40℃前後のぬるま湯で油汚れを流す

排水口に重曹を振りかけてから、クエン酸を加えると泡が発生し、汚れを浮かせて落としやすくなります。重曹大さじ3杯とクエン酸水コップ1杯を使い、30分ほど放置してから流すのが効果的です。

注意

熱湯を流すと樹脂配管が変形する恐れがあるため避けましょう。配管の耐熱温度は一般的に60℃程度までとされており、熱湯を流すと配管の劣化や破損の原因となります。



キッチンのヘドロ・油詰まり対策

寒い時期は油が固まりやすく、流れが悪くなる原因になります。キッチンの排水管は特に油汚れが蓄積しやすい場所です。

日頃から気をつけたいこと

コーヒーかす、ラーメンスープ、カレー油は流さない
・軽度の詰まりは重曹+酢で改善
・排水ホースの内部洗浄も効果的

これらの食材や油は冷えると固まって配管内に付着し、詰まりの原因となります。ちょっとした習慣で、流れの悪さを防ぐことができます。



水道管の凍結・破裂対策

気温がマイナス4℃を下回る夜は、凍結のリスクが高まります。特に北側や屋外の配管、風当たりの強い場所は要注意です。一般的に、気温がマイナス1〜2℃程度でも風が強い場所では凍結する可能性があります。

防止策

・保温材が破れていないか確認
・就寝前に蛇口を"ポタポタ"開けておく(鉛筆の芯ほどの太さ)
給湯器の電源は抜かない(凍結防止ヒーターが止まります)

水は動いている状態では凍りにくいため、少量でも流し続けることが効果的です。流した水はバケツなどで受けて再利用すると、水道代の節約にもなります。給湯器には凍結防止ヒーターが内蔵されており、外気温が約3℃以下になると自動的に作動するため、電源は入れたままにしておきましょう。

凍結した場合

熱湯は絶対にかけない
・タオルを当て、ぬるま湯でゆっくり解凍する

急激な温度変化により、配管にひび割れや破裂が発生する危険があります。50℃前後のぬるま湯を使い、タオルを巻いた上から少しずつかけていくのが安全な方法です。



窓の結露・サッシのカビ予防

断熱性能が高い家でも、冬の結露をゼロにすることは難しいものです。放置すると黒カビや建材劣化の原因になります。結露は、室内の暖かく湿った空気が冷たい窓に触れることで発生します。

今日からできる対策

朝いちばんでサッと拭き取る
・サッシ溝のブラシ掃除
室内湿度は40〜60%を目安に調整

水切りワイパー(スクイージー)を使うと効率的です。結露は下に溜まるとサッシや窓枠を傷める原因となるため、早めの対処が大切です。サッシ溝の汚れはカビの栄養源となってしまうため、アルコール除菌スプレーを定期的に使用すると、カビの発生を予防できます。

換気と湿度管理がポイントです。1日2回、5〜10分程度の換気を心がけると、室内の湿気を外に逃がすことができます。料理中やお風呂の使用後は特に換気扇を回すことをおすすめします。



暖房効率を高めるエアコンのメンテ

フィルターの汚れは暖房効率を大きく落とし、電気代が10〜25%増えることもあります。実際に、フィルター掃除をしない場合としっかり掃除した場合では、年間で約1万円近くの電気代の差が出るという調査結果もあります。

チェックしたいポイント

フィルターは月1〜2回の水洗い
・室外機の吹出口に物を置かない
・周囲の落ち葉やゴミは取り除く

使用頻度が高い冬場は、2週間に1回程度の掃除が理想的です。掃除機でホコリを吸い取るだけの簡易的な手入れと、水洗いを交互に行うのも効果的です。室外機の周囲20cm以内に物があると、空気の循環が妨げられて効率が落ちるため注意しましょう。



給湯器の冬トラブルを防ぐ

冬は給湯器の負荷が最も高まる季節です。水温が低いため、設定温度まで温めるのにより多くのエネルギーが必要となります。

予防メンテ

・吹出口のホコリを確認
追い焚き配管は年1〜2回の洗浄
・エラー番号は早めにチェックして相談

ホコリが詰まると燃焼効率が落ち、不完全燃焼の原因にもなります。市販の配管洗浄剤を使用すると、配管内の汚れや雑菌を除去できます。エラーコードは給湯器の状態を知らせる重要なサインですので、表示されたら取扱説明書で確認し、必要に応じて専門業者に相談しましょう。



まとめ|冬は"小さなケア"が大きな安心につながります

冬は、詰まり・凍結・結露など、住まいにトラブルが起きやすい時期です。ほんの少しのセルフメンテナンスでも、大きな故障や出費を防ぐことができます。

「最近、流れが悪い気がする...」
「給湯器の調子が変...」

そんな小さな違和感でも、どうぞお気軽にご相談ください。お住まいを長く安心してお使いいただけるよう、私たちがしっかりサポートいたします。

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